ざき丸ちゃり雑記

ちゃり旅を主にする(はずの)雑記

大分由布院自走記

お久しぶりです。

ブログの更新をするほどネタもないのが正直なところです。

 

今日は、部活の春合宿で他の部員が輪行した部分を僕とそらふね君は自走したのでそれについてのお話です。

部活用に書いたものをそのままコピペ、一部改変しただけです。

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自走とは何か?「自分で走る、自力で走る」。解釈を拡大するなら「目的地まで自転車以外の手段を用いることなく到着する」だろうか。

 

 なぜ自走という手段に人は時として踏み切るのか、金か名誉か達成感かそれとも過去の先輩へのリスペクトか。いずれにせよ自走の数だけ走る理由があるのだ。僕、ざきに丸は広島自走に途中挫折したという苦い思い出を払拭するため、節約のため。一緒に走る彼、そらふねくんはキャリアを外すのが面倒なため、節約のためだった気がする。残念ながらこういうのにありがちな病気のあの子に勇気をとか、走り切ったら俺、結婚するんだみたいなお約束は無い。もう一度言う、無い。

 

 8日目、2016年度の春合宿も終盤になってきた暖かな日、道の駅くるめでお昼ご飯を食べ、謎の踊り集団を見届けた僕たちは自走を開始すべく準備を始める。どうせ暑くなるからと三月下旬には似つかわしくない半袖Tシャツ1枚にネックウォーマー、高校のジャージが僕の自走ファッションスタイル。黄色のシャツには鮭を咥える熊に‘Bear eats salmon’の印字、19の誕生日にもらったお気に入りの一枚である。ダッシュはいつものおしゃれサイクルジャージ、相変わらずキマッている。

 

 出発前みんながスマホをこっちに向けまくる、自然体を装うけどめちゃくちゃ意識しちゃうし、ちょっとした有名人にでもなった気分だ。しかもみんななぜかローアングルから撮ってくる。ここがコミックマーケットの会場ですか?

 

 出発前何度も道と地形図を確認、幸いなことにほぼ一本道みたいだ。今回の自走の目玉こと山さんはどのあたりで牙を向けてくるのかは地図を見るだけじゃいまいちわからん、いざ出発。

 

 先頭はわたくし、ざき丸。後ろはそらふね。やることは決まっている、全力で引く。日田市が最後の町とかGPAの神様が言っていたけどそこまで40㎞程ほぼ平坦。30/hを切らないように走ってたら2時間足らずで着いた。あれ?もしかして余裕じゃね?ワンチャン輪行組より早く着くぜ?なんて山に入る前お決まりのフラグを建てまくる。

 

 平坦での最後の休憩を終えて走っていくと明らかに山に入り始める、一応国道だか県道を冠した道なのだがまず車の数が一気に減る、進んでいくと傾斜がきつくなってくる、道は狭くなり、曲がり、気がつけば車がすれ違うのも難しいくらい車幅が狭くなっていた。

 

 聞こえるのは風の音、肩で息をする自分の声、回るペダルとホイールの音が2つ、空舟くんの息?あいつマスクして走ってるすげーやつだから聞こえないよ?それはさておき、いいね、「登りにきた」って感じだ。登っているとき考えることはなんですか、僕は今日の晩御飯だったり、同じ曲の同じ部分だけがリピートされたり、無意味に、SH*T!!とかクソッとか唯一わかるドイツ語を叫んでみたり。後は、一緒に走って、ペースまで合わせてくれる聖人こと空舟くんとお話したり。登っているときはノリと勢いとアドレナリンでしゃべっているので何を話したとかは全然覚えていない。とにかく登りは嫌いなのでこの坂がどこまでとか、ケイデンスを…なんて速さを求めてない。自転車に乗り始めたときから登りは「足を付かない」が個人的究極目標なのである。

 

 1つ目の山を登り終えると町までひたすら下り、たくさん登った後の下りは積み重ねた貯金が無くなるみたいな感覚になるのであんまり好きじゃない。楽しいけど。2回目の登りが来る前に1度休憩、1つ目の山は476mが頂点だったらしい。残念、目的地の由布院町は標高600m越えだ。町まで下った分にもう1山追加オーダー入りまーす。もちろん自走中には知るわけもない。

 

 いざ目的地由布院へ、もう30㎞程だ。ここのあたりからはずっと田舎特有の山道が続く、まぁまぁの広さの路肩と道、全然通らない車、そして登り。こんな感じの道はかなり僕のサイクリング心をくすぐる。好きだけど息はとぎれとぎれ、心臓もバクバクしてる。もしかして:恋。違う、体力がないだけだ。

 

 時々目の前に現れる目的地までの距離が書いてある青い看板は、希望にもなるし絶望にもなる。広島まで走っていた時初めて看板に広島の字が見えたときは凄く嬉しかった、初日は四日市とか大津とかしか書いてないんだよ?あの看板は、目的地までどれくらいか、ペースはどんなもんか、道はあってるのかとたくさんの情報が詰まっているのだ。まぁ情報は時として残酷な現実を突きつけてくる刃物ともなりうるのだが、日の入り前で残り50㎞とかね。

 

 湯布院に確実にひと回しずつ近づく僕らに試練、雨というか霰。おかしいだろ三月だぞ、僕らのお天気女神はいつもドSだ、恵みの雨か、怒りの鉄槌か分からないがそれすらネタにして前に進む。

 

 湯布院に近づくにつれちょくちょく温泉宿を見かけるようになった、もうこれがゴールでいいんじゃね、なんて思いながら残り10㎞強、山は続くよどこまでも、登れ登れ。

  

 登りが終わるとき、目の前から道が消える。なぜか、下り坂に変わるからだ。そんなわけで登頂708m、自転車で登った中では人生最高峰。これだけで満足。空舟くんはコンビニで買ったポテチの袋がどれくらい膨らんだか見ていた。実際結構膨らんでいて面白かった。

 

 残りは下り、登り貯金が減るけどみんなが待っている宿へと向かう。無事に着いた温泉宿「やまなみ」。旅館に入る前に二人で記念撮影、合宿で撮った写真の中でも上位を争うお気に入りの一枚だ。

 精魂ともに使い果たした自走になった。走った後も言ったけど輪行して正解だと思う。半端な覚悟と実力で行ったら途中で立往生からの日没ENDまであり得る。40㎞ほぼ登りは伊達ではなかった。ナイス判断ルート提案者。走らせてくれたルート提案者と走ってくれた空舟くんに改めて感謝。

 

 以上 ざき丸と空舟の自走記 番外編でした

 

最後に走ったルートを貼っておきます

https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=6b70f2fc68c4d5081ed9d185ffec22a9